2010年9月23日木曜日

LUNACY / LUNA SEA (2000)


 LUNA SEAとは、「他のバンドさんの前に、五人がライバル」(J)と自負するほどに、一人一人の個性が強烈なバンドである。作曲一つをとってみても、それぞれがヒット曲を誕生させられるほど、その能力も高い。
 96年には、オリコン1位、東京ドームライブなど、バンドとしてのキャリアを極め、まさに絶頂の状態にあった。しかし、彼らは、貪欲にも、更なる高見を目指すために、1年間それぞれの成長のための充電期間に突入する。

 そして、モンスターは進化した。本作は、LUNA SEAが、いままでのエッセンスを保ちながらも、多様な表現を獲得し、新しい次元に辿り着いたことを証明した傑作である。楽曲の中で繰り返される「輝き」 という言葉が本当に相応しいアルバムだ。メンバー自身、「ラストアルバムになってもいいくらい、やりきった感がある」と述べているように、彼らはこのアルバムを創りあげたことで、 LUNA SEAで表現できる最高のものを完成させたということを自覚していた。
 そして、このアルバムを最期に、LUNA SEAは終幕を迎える。それは、5人のオリジナリティの高まりが臨界点に達した結果の、やむを得ない選択だったのかもしれない。
 だが、LUNA SEAが新たな次元にたどり着いた時に放たれた一瞬の輝き、それが色褪せることはいつまでもないだろう。

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