2010年9月14日火曜日

『ラストデイズ』 (2005,アメリカ)

 死から 誕生までの 長く孤独な旅
 これは、カート・コバーンの死にインスピレーションを受けたガス・ヴァン・サントの作品だ。ブレイクと呼ばれる男の最期を描いている。
 精神病院を抜け出し戻ってきた住まいで待っていたのは、セックス・ドラッグ・ロックンロールに溺れる悪友たち。ブレイクのもとを訪れるのは、商売仲間、広告会社、宗教やヤクの勧誘ばかり。この世界のどこにいても、自分は荒廃させられていく。
 「やってられるか」
 そんなブレイクの叫びは、銃声として鳴り響き、彼は自らの命を絶つことで荒んだ世界に別れを告げた。

「実が熟して 腐ってく 似てるよ 生きることに」 (Death to Birth by Pagoda)

 最期の歌は、誰に聴かせるでもない、ブレイクの心境の吐露であった。

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