2014年3月21日金曜日

ALL FOR ONE The Best Of BLACKMORE'S NIGHT

「リッチー・ブラックモアはキャンディス・ナイトとの出会いにより、ハードロックから転向し、中世音楽へと回帰した」ー「ブラックモアズ・ナイト」に対しては、そのような認識を抱いていた。

だが、実際に音源を聴いて感じたのは、キャンディスの歌声は惚れ込むような心地良さがあり、またリッチーのギターは全く「転向」などしておらず、早弾きこそあまりないものの、ロック・ブルース・クラシックというかつてのスタイルの上に、中世音楽という新たなアプローチが加わったことにより、回帰ではなく発展へと向かっているということだ。

メロディーは現代ではあまり用いられないものがありながら、過去のバンドと遜色無く実に聴きやすい。コンサートは小規模で、商業ベースにはあまり乗りそうではないが、そこには大衆産業化とは異なるリッチーなりの新たな現代音楽への挑戦があるのかもしれない。