2010年9月29日水曜日
『海辺のカフカ』/ 村上春樹(2002)
『斜陽』/ 太宰治(1947)
『三つの宝』/ 芥川竜之介(1922)
『舞姫』/ 森鴎外(1890)
『雨月物語』/上田秋成(1776)
2010年9月23日木曜日
Eternal Melody Ⅱ / YOSHIKI (2005)
98年以降、沈黙を保ち続けたyoshikiが、X JAPANの再結成までの間に完成品としてリリースした唯一といっていいアルバム。この間、VIOLET UKのデビューなどが囁かれながらも実現せず、彼のソロワークをまとまった形で聴くことが出来るという点で、非常に貴重な作品である。
X JAPANで発表した楽曲に加え、他のアーティストに提供した楽曲、VIOLET UKのための楽曲、イベントに提供した楽曲、そしてhideに捧げた「Without You」など、クラシック・バラードを基調とした10の楽曲が収録されている。
このアルバムの真価は、X JAPANという冠を外したyoshikiの音楽に触れられるところにある。もちろん、X JAPANはyoshikiが中心になり楽曲の制作が進められてきたのだが、toshi,hide,pata,heath,taijiといったメンバーと共に創りあげられたものであった。
それゆえ、この作品ではX JAPANのアルバムとは異なる形で、yoshikiのエネルギーをダイレクトに感じることができる。それは、X JAPANの解散、そして、hideの死という悲劇を体験したyoshikiの魂そのものである。「Without You」のピアノは、どこまでも沈むように悲しみを奏で、嫌にもその傷の深さを想起させる。
X JAPANで発表した楽曲に加え、他のアーティストに提供した楽曲、VIOLET UKのための楽曲、イベントに提供した楽曲、そしてhideに捧げた「Without You」など、クラシック・バラードを基調とした10の楽曲が収録されている。
このアルバムの真価は、X JAPANという冠を外したyoshikiの音楽に触れられるところにある。もちろん、X JAPANはyoshikiが中心になり楽曲の制作が進められてきたのだが、toshi,hide,pata,heath,taijiといったメンバーと共に創りあげられたものであった。
それゆえ、この作品ではX JAPANのアルバムとは異なる形で、yoshikiのエネルギーをダイレクトに感じることができる。それは、X JAPANの解散、そして、hideの死という悲劇を体験したyoshikiの魂そのものである。「Without You」のピアノは、どこまでも沈むように悲しみを奏で、嫌にもその傷の深さを想起させる。
へうげもの(3)
LUNACY / LUNA SEA (2000)
LUNA SEAとは、「他のバンドさんの前に、五人がライバル」(J)と自負するほどに、一人一人の個性が強烈なバンドである。作曲一つをとってみても、それぞれがヒット曲を誕生させられるほど、その能力も高い。
96年には、オリコン1位、東京ドームライブなど、バンドとしてのキャリアを極め、まさに絶頂の状態にあった。しかし、彼らは、貪欲にも、更なる高見を目指すために、1年間それぞれの成長のための充電期間に突入する。
そして、モンスターは進化した。本作は、LUNA SEAが、いままでのエッセンスを保ちながらも、多様な表現を獲得し、新しい次元に辿り着いたことを証明した傑作である。楽曲の中で繰り返される「輝き」 という言葉が本当に相応しいアルバムだ。メンバー自身、「ラストアルバムになってもいいくらい、やりきった感がある」と述べているように、彼らはこのアルバムを創りあげたことで、 LUNA SEAで表現できる最高のものを完成させたということを自覚していた。
そして、このアルバムを最期に、LUNA SEAは終幕を迎える。それは、5人のオリジナリティの高まりが臨界点に達した結果の、やむを得ない選択だったのかもしれない。
だが、LUNA SEAが新たな次元にたどり着いた時に放たれた一瞬の輝き、それが色褪せることはいつまでもないだろう。
Endtroducing... / DJ Shadow (1996)
2010年9月22日水曜日
The Godfather (1972,アメリカ)
A Love Supreme / John Coltrane (1964)
2010年9月20日月曜日
『風の谷のナウシカ』
スタジオジブリの映画作品とは異なり、この「原作」の知名度があまりにも低いことは驚きを持って受け止めていい事実だ。しかし、それは「原作」の長大かつ複雑なストーリー、霊妙な世界観、そして重厚な哲学に由るものとして、当然至極のことと理解せねばならない。
多くの人の指摘通り、「映画版」であらわされているのは「原作」の僅か2/7の物語でしかない。だが、内容の圧縮化による結果か否かはさておき、「映画版」と「原作」では、登場人物の関係性や物語の向かっていく先など、その内容は全く異なるものであると言わざるを得ない。況やそこから受け取るメッセージをや、だ。
「ナウシカ」と環境問題の関係について語られることがままあるが、そのことについて触れる際、「環境」を意味するエコロジーという言葉が、同時 に「生態」という意味を有していることを考え合わせると、「原作」においては、まさに「生態」の次元から物語が展開されているということに自ずと気付く。
人類の歴史、腐海の謎、生命の神秘、超越的存在、そして王蟲のレゾンデートル…。殆どの人が、まず「映画版」を観てから「原作」のことを知るのであろうが、「映画版」で明らかにされていなかった事物とその因果には舌を巻くだろう。
だが、相も変わらず「原作」は、むしろ、より一層深いレベルで、生の根底から人間と世界を描き、その行く末を見据える視座を提供してくれるものであり、深い闇の世界を描きながらも、読後は不思議な爽快感を与えてくれる。そこで私たちは、それが「風の谷」からナウシカが運んできた「風」であることを感じるのである。
多くの人の指摘通り、「映画版」であらわされているのは「原作」の僅か2/7の物語でしかない。だが、内容の圧縮化による結果か否かはさておき、「映画版」と「原作」では、登場人物の関係性や物語の向かっていく先など、その内容は全く異なるものであると言わざるを得ない。況やそこから受け取るメッセージをや、だ。
「ナウシカ」と環境問題の関係について語られることがままあるが、そのことについて触れる際、「環境」を意味するエコロジーという言葉が、同時 に「生態」という意味を有していることを考え合わせると、「原作」においては、まさに「生態」の次元から物語が展開されているということに自ずと気付く。
人類の歴史、腐海の謎、生命の神秘、超越的存在、そして王蟲のレゾンデートル…。殆どの人が、まず「映画版」を観てから「原作」のことを知るのであろうが、「映画版」で明らかにされていなかった事物とその因果には舌を巻くだろう。
だが、相も変わらず「原作」は、むしろ、より一層深いレベルで、生の根底から人間と世界を描き、その行く末を見据える視座を提供してくれるものであり、深い闇の世界を描きながらも、読後は不思議な爽快感を与えてくれる。そこで私たちは、それが「風の谷」からナウシカが運んできた「風」であることを感じるのである。
『茄子 スーツケースの渡り鳥』(2007)
『茄子 アンダルシアの夏』(2003)
2010年9月18日土曜日
Art of life live / X JAPAN (1998)
人生は誕生によって始まり、死によって終わるものだ。しかしながら、人の一生にはその過程における、幾度の死、復活、誕生(再生)がある。生と死というモチーフ—それは単純な二項対立で語られるべきものではない。
それゆえ、「Art of life」、(「人生の芸術」とでも訳そうか)を表現するためには、バラードとロック、静と動という対立軸を超えた独自の音楽スタイルが求められていた。 これこそが、X JAPAN 『Art of life』の真髄であり、彼らであればこそなしえた偉業である。
本作に収録されているライブは、筆舌に尽くしがたい迫力をもっている。それはこのアルバムに収録されている演奏に充ち満ちた狂気によるものだ。YOSHIKIのピアノとドラムから感じられるのはまさに狂気(だが、本来それをこのように一言で言い表すことはできない) であり、それが生と死の躍動をリアルに感じさせるのである。
X JAPANの歴史の中では、このアルバムは当初『Jealousy』とともに2枚組として発売されるはずであったのだが、YOSHIKIによれば、『Art of life』は『Jealousy』との共存を拒んだという。まるでこの曲自身が生命を持っているかのように形容されるのは、この曲がYOSHIKIの人生の集大成的作品であり、まさに生命を注ぎ込んだ作品だからであろう。ライブ版でそのエネルギーを体感せよ。
それゆえ、「Art of life」、(「人生の芸術」とでも訳そうか)を表現するためには、バラードとロック、静と動という対立軸を超えた独自の音楽スタイルが求められていた。 これこそが、X JAPAN 『Art of life』の真髄であり、彼らであればこそなしえた偉業である。
本作に収録されているライブは、筆舌に尽くしがたい迫力をもっている。それはこのアルバムに収録されている演奏に充ち満ちた狂気によるものだ。YOSHIKIのピアノとドラムから感じられるのはまさに狂気(だが、本来それをこのように一言で言い表すことはできない) であり、それが生と死の躍動をリアルに感じさせるのである。
X JAPANの歴史の中では、このアルバムは当初『Jealousy』とともに2枚組として発売されるはずであったのだが、YOSHIKIによれば、『Art of life』は『Jealousy』との共存を拒んだという。まるでこの曲自身が生命を持っているかのように形容されるのは、この曲がYOSHIKIの人生の集大成的作品であり、まさに生命を注ぎ込んだ作品だからであろう。ライブ版でそのエネルギーを体感せよ。
HARVEST / Dragon Ash (2003)
ベスト+裏ベスト+未発表曲集 / Cocco (2001)
深海 / Mr.Children (1996)
黒船 / サディスティック・ミカ・バンド (1974)
風街ろまん / はっぴいえんど (1971)
GOEMON (2009)
冷静と情熱のあいだ (2002)
居酒屋兆治 (1983)
仁義なき戦い (1973)
Dummy / Portishead (1994)
2010年9月17日金曜日
『インセプション』(2010,アメリカ)
『誰がために鐘は鳴る』/ ヘミングウェイ
『悪霊』/ ドストエフスキー
2010年9月14日火曜日
『イル・ポスティーノ』(1994,イタリア)
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008,アメリカ)
これは、老人として生まれ、年を取ると共に若返っていくという人生を辿ったベンジャミン・バトンの物語である。若返りという数奇な命運のもと、様々な人との出会いが、彼にとって経年とは別の「成長」をもたらした。
彼と彼を取り巻く人々の物語は、変わりゆくものの中で、儚く終わるものの煌めき、永遠に続くものの純粋さ、変えていこうとする意志の逞しさをみせてくれる。
人生の一代記は、デヴィット・フィンチャーの映像美により、いっそう印象的なシーンとして描き出され、観た者の心をとらえて離さない。
http://www.youtube.com/watch?v=o8OJrJjHFJo
(The Curious Case of Benjamin Button - Sunrise on Lake Pontchartrain)
彼と彼を取り巻く人々の物語は、変わりゆくものの中で、儚く終わるものの煌めき、永遠に続くものの純粋さ、変えていこうとする意志の逞しさをみせてくれる。
人生の一代記は、デヴィット・フィンチャーの映像美により、いっそう印象的なシーンとして描き出され、観た者の心をとらえて離さない。
http://www.youtube.com/watch?v=o8OJrJjHFJo
(The Curious Case of Benjamin Button - Sunrise on Lake Pontchartrain)
『ラストデイズ』 (2005,アメリカ)
死から 誕生までの 長く孤独な旅
これは、カート・コバーンの死にインスピレーションを受けたガス・ヴァン・サントの作品だ。ブレイクと呼ばれる男の最期を描いている。
精神病院を抜け出し戻ってきた住まいで待っていたのは、セックス・ドラッグ・ロックンロールに溺れる悪友たち。ブレイクのもとを訪れるのは、商売仲間、広告会社、宗教やヤクの勧誘ばかり。この世界のどこにいても、自分は荒廃させられていく。
「やってられるか」
そんなブレイクの叫びは、銃声として鳴り響き、彼は自らの命を絶つことで荒んだ世界に別れを告げた。
「実が熟して 腐ってく 似てるよ 生きることに」 (Death to Birth by Pagoda)
最期の歌は、誰に聴かせるでもない、ブレイクの心境の吐露であった。
これは、カート・コバーンの死にインスピレーションを受けたガス・ヴァン・サントの作品だ。ブレイクと呼ばれる男の最期を描いている。
精神病院を抜け出し戻ってきた住まいで待っていたのは、セックス・ドラッグ・ロックンロールに溺れる悪友たち。ブレイクのもとを訪れるのは、商売仲間、広告会社、宗教やヤクの勧誘ばかり。この世界のどこにいても、自分は荒廃させられていく。
「やってられるか」
そんなブレイクの叫びは、銃声として鳴り響き、彼は自らの命を絶つことで荒んだ世界に別れを告げた。
「実が熟して 腐ってく 似てるよ 生きることに」 (Death to Birth by Pagoda)
最期の歌は、誰に聴かせるでもない、ブレイクの心境の吐露であった。
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