2010年9月8日水曜日

Caravanserai / SANTANA (1972)

 音楽を通じて、己の精神性を非常にクリアに表現できるという点で、SANTANAというアーティストは突出している。それは彼が持つ唯一無二のテクニックとセンスがなせる業なのだろう。幻想的な雰囲気を醸し出すその音楽には魔性の力すら感じられる。
 「復活した永遠なるキャラバン」で幕を開ける本作は、そんなSANTANAの魅力の詰まった作品であり、ラテン、ブルース、フュージョンといったリズミカルさと、メロディアスでエモーショナルな調べを兼ね備えた、非常にドラマチックなアルバムに仕上がっている。
 耳を澄まし、虫の音が聴こえ始めれば、辺りは静寂に包まれ、紅き月が空に浮かぶ夢幻の世界が訪れる。

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