2010年10月25日月曜日

『ライ麦畑でつかまえて』/ J・D・サリンジャー(1951)

「何よりもまず,君は,人間の行為に困惑し,驚愕し,はげしい嫌悪さえ感じたのは,君が最初ではないということを知るだろう。その点では君は決して孤独じゃない,それを知って君は感動し,鼓舞されると思うんだ。今の君とちょうど同じように,道徳的な,また精神的な悩みに苦しんだ人間はいっぱいいたんだから。幸いなことに,その中の何人かが、自分の悩みの記録を残してくれた。君はそこから学ぶことができる―君がもしその気になればだけど。そして,もし君に他に与える何かがあるならば,将来,それとちょうど同じように,今度はほかの 誰かが,君から何かを学ぶだろう,これは美しい相互援助というものじゃないか。こいつは教育じゃない。歴史だよ。詩だよ」

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